日本人にとって外国語としてのスペイン語は英語やフランス語ほど親しまれていないかもしれない。しかしスペイン語が使われている国を数えてみるとかなりあります。国際語と言ってもいい存在です。 私も以前はスペイン語を勉強しようとなど考えたことありませんでした。いわゆる遠い存在でした。私の場合のスペイン語の勉強のきっかけは南米の音楽、特にペルーの民族音楽に興味を持ったことが始まりでした。民族楽器のケーナを習おうこととスペイン語を勉強しようとが同時でした。スペイン語の文法書を買ってきて、勉強を始めましたが、独学はなかなか上達しませんでした。始めた当時のスペイン語を学ぼうという意欲もそんなにありませんでした。ちょっと暇をみてやる程度でした。動機があまり強いものではないので、継続して勉強することがありませんでした。しかし、2年前からスペイン語を勉強する動機が変わりました。スペイン語を実際に役立てる場面が出てきたからです。南米出身者へのサポートは英語のサポートに比べて非常に脆弱で、スペイン語を話せる人もほとんどいません。音楽で始まったスペイン語でしたが、ボランティアのためのスペイン語に変わりました。当然のことながらスペイン語のレベルが問われるので真剣に勉強しなければなりませんでした。2年前にスペインで研修をしました。しかし、まだ不十分だと考えてさらに勉強する必要を感じ、南米ペルーのクスコにスペイン語の研修の場所を選びました。では、どうしてクスコを選んだ理由は簡単で、友人の紹介があったわけでクスコがスペイン語の勉強に最適だと最初から分かっていた訳ではありませんでした。しかし、クスコでのスペイン語の研修を終えて言えることは、偶然にクスコを選んでしまいましたが、結果的には最適の場所でした。その理由のいくつかをお話します。 まず、クスコは他の都市と比較して落ち着いた雰囲気のある町です。ここで言う落ち着いたという意味は静かだという意味ではありません。観光都市ですから、クスコ市も観光のための行事を沢山持っています。ある意味、賑やかな感じの町です。しかし、町のどこを歩いていても危険を感ずることはまずありません。地元の人と話をしても、非常に親切に応対してくれます。外国人への差別感をほとんどありません。私のような日本人は他のヨーロッパ系の人と違って、目立つ存在ですが、嫌な思いしたことがありませんでした。 次に、クスコの人はスペインの人と比べて、また首都のリマの人に比べてゆっくり話す傾向があります。私たち外国人学習者にはとてもありがたいことです。 クスコには私がインターネットで調べただけでも10校近くの語学学校がある。どの学校を選定しようか迷う所です。確実な情報はなかなか得られません。友人として現地の人がいれば多少のことは分かるにしても、実情を把握することは難しい。インターネットの生徒の意見、感想は参考になるでしょう。 さて、他の学校の様子を知らないので私が通ったウィラコチャ・インターナショナル・スクールを比較分析はできません。できることは過ごした3ヶ月の印象を述べるしかありません。 学校は中心よりも少し離れた静かな場所にあります。特に、学校は通りからさらに奥に入った場所なので、通りの車や人の騒音などは聞こえません。静かな環境で勉強できた気がします。私が見たいくつかの学校は人通りの多い、また交通量の多い通りに面している学校もありました。 次に学習内容ですが、文法指導に偏らずにできるだけコミュニケーション能力を高める意図があって授業時間のかなりの時間、生徒に話させるように工夫している。文法学習は自国でもできるわけで、あえてペルーまで来て、文法ばっかりやっていたのでは来た理由がありません。文法学習とそれを実際に使えるように練習してくれました。 コースはいろいろありますが、大きく分けて個人クラスとグループクラスがあります。私の見た印象では、個人クラスの方が多かった気がします。個人クラスの利点は、あくまでも自分中心に展開するので、特に知りたいことなど気楽に質問できます。発表、応答の時間もグループクラスに比べて非常に多いです。上述したコミュニケーションの点から言えばこの個人クラスは非常に効果を上げると思います。グループ学習の利点は生徒同士が外国語であるスペイン語でお互い苦労しながらコミュニケーションができるので励ましあいながらできると思います。私は個人クラスでした。 次の教授陣についてコメントすると、以前に学校の先生をやっていた方が多く、過去の指導経験を活かして丁寧に忍耐強く教えてくれました。20代~40代と思われる元気で明るい先生が多くいました。 授業時間は60分を二コマ連続で展開し、そのあとに30程の休憩時間あります。その休み時間は生徒にとっては、学校に用意されているお茶を飲んだり、スナックを食べたり、旅行や生活の情報交換をしたりして楽しく過ごしていました。パティオにはサポというゲームもあってそれを楽しむ生徒もおりました。 最後に、行く前に文法を一通り、ざっとでいいから目を通しておくと、こちらでの授業について行くのが楽だと思います。文法用語など難しいものが出てきます。多少の事前知識があれば苦労しなくて済みます。